ちょうど2年ほど前、札幌の雪まつりのある2月に合わせて家族で北海道旅行に行った。個人的にも北海道は初だった。
息子がその4月には小学校に入学というタイミングだったが、小学校に上がるといろいろイベントも多くなるということで行ったのだった。
自由行動の日に小樽へ行った。雪がしんしんと降る日だった。運河などを眺めつつ、観光をする。
タイプにもよるけれど、観光中は休み休み行きたいのでトイレ休憩をこまめにとる、ではなく、喫茶店休憩をとりたい。
子供がいるとなおのことそうだ。適当にココアとかお菓子っぽいものを食べさせて、軽く寝かせる。
休憩しつつ、地図を眺めたり、数時間分の旅の反芻をしたりだけでなく、適当にスポーツ新聞とか漫画雑誌をまじえて寛ぐ。
小樽の喫茶店は雪が降っていて、駅前商店街の入り口のすぐの所にある昔ながらの喫茶店だった。
入り口に商品サンプルのあるガラスケースがあり、その脇の階段を2階にのぼっていくスタイルの「ああ、アーケード商店街の喫茶店だ!」という喫茶店だった。
アーケード商店街でいうと、吉祥寺、中野にもギリギリ同じようなスタイルの店はあれど、いい場所はだいたいチェーン系が押さえていて、個人経営のところも切羽詰まっている雰囲気がでてしまう。
あるいはたまにがガラスケースには文字だけのメニュー表を掲げて高級感を醸し出すタイプもあれど、好みではない。
小樽のその喫茶店はカウンターがあり、初老のご夫婦がやっていて、建材がよいのでとても落ち着き、ボックスは2人シートではなく、4名ボックスシートというゆったり感であった。2,30平米だと思うけれど、好きなタイプのお店だった。
小樽というのもこじんまりした街ながらそこそこ札幌から離れていて、そこそこ人も呼べ、そこそこやっていける。
子供向けの店でもなく、女性向けの店でもなく、喫煙者のための店でもなく、老人のための店でもなく。
子供が行けば暴れ出さない程度のキャパと余裕がある。憩う、とは本来そういう場所である。
いちいち女性に優しくあろう!老人にやさしくあろう!といわずともいろいろできるところに憩いのよさがある。
質のよいそこそこ、が小樽にはあった。